こんにちは、ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科の佐野です。私は産婦人科専門医・女性医学会専門医・抗加齢医学会専門医であり女性のヘルスケアやピル・ホルモン治療を専門としています。今日は子宮頚癌を予防するヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンの積極的な接種勧奨の再開とキャッチアップ接種についてお知らせします。
HPVワクチンは平成25年4月に定期接種のワクチンになりました。通常、定期接種のワクチンでは対象者が打つ年齢になれば自治体からお知らせがきたり予診票が発送されたりします。これを積極的勧奨といいます。しかしHPVワクチンの場合は副反応の報告を受け、長年にわたってこの積極的勧奨が差し控えられてきました。そこで本来はワクチンが受けられる年齢になっても通知が来ないため、接種の機会を逃してしまった方もいました。
その後最新の知見を踏まえ、有効性や安全性についての検討を重ねた結果、令和3年11月に積極的な接種勧奨の再開が決定されました。令和4年度の定期接種の対象者は平成18年4月2日~平成23年4月1日生まれの女性(小学6年生~高校1年生相当年齢)です。またHPVワクチンの積極的勧奨の再開に伴い、従来のワクチンを受けられるはずだった期間にワクチン接種が受けられなかった方へのキャッチアップ接種も開始されました。平成9年4月2日~平成18年4月1日生まれの女性(令和4年度中に17~25歳になる女性)で過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方はキャッチアップ接種を公費で受けることができます。
詳しくは厚生労働省ホームページをご参照下さい
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html
公費で接種できるHPVワクチンは2価HPVワクチンのサーバリックス®、4価HPVワクチンのガーダシル®の2種類でしたが、令和5年度(2023年4月)より9価ワクチンのシルガード9もキャッチアップ接種での使用が可能となりました。また、以前に1-2回はHPVワクチンを打ったけれども合計3回完了していない方の場合も、接種の間隔に制限はなく追加の接種を受けることができます。長期間中断している場合もスケジュールを最初からやり直す必要は無いと考えられています。
それぞれのワクチンの種類の違いやキャッチアップ接種については以前のブログにはなりますが「子宮頚癌ワクチンとHPVについて」や「公費で打てなかった子宮頚癌ワクチンを大人になってから打ってもいいの?」もご参照下さい。
当院は新宿区の受託医療機関であり、東京23区内に住民票がある方であれば当院でHPVワクチンの定期接種やキャッチアップ接種を受けることができます。ただワクチンの予診票の送付時期やキャッチアップ接種対象者へのお知らせは、市町村や区によっても対応は異なるようです。個別の対応については住民票のある市町村にお問い合わせ下さい。
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