内分泌外科Endocrine Surgeryについて
内分泌外科はホルモンを作っている器官に生じた疾病(主にしこり)を専門としています。外科なので治療として手術が必要になることがあります。当クリニックでは手術を行っていませんので、必要な場合には専門の医療機関を御紹介します。一方、手術を必要としない場合には当クリニックで内科的治療や経過観察ができます。
内分泌外科が専門とする器官と疾病を御紹介します。
甲状腺
甲状腺ホルモンを作って分泌します。
甲状腺は首の喉仏の下にあります。脈拍や体温の調節、脂質や糖の代謝を調節します。
◆外科的な疾患の代表は甲状腺のしこりです。「がん」と「良性」があります。「がん」で最も多い「乳頭癌」はおとなしい腫瘍で、手術をせずに経過観察で済む場合もあります。一方、「良性」であれば大半は手術が不要ですが、腫瘍が大きな場合や症状がある場合、そして「がん」との区別が難しい場合には手術をお勧めすることがあります。
◆内科的な疾患の代表は「橋本病」と「バセドウ病」です。「橋本病」は治療を必要としないことが多いですが、ホルモン不足の場合には補充します。「バセドウ病」はホルモンの過剰(出過ぎ)で様々な症状がでます。薬による治療、放射能による治療、手術による治療があり、それまでの経過や症状、そして検査の結果などを踏まえて方針を検討します。
副甲状腺
副甲状腺ホルモンを作って分泌します。
甲状腺の裏側に副甲状腺が4つあります。とても小さい(米粒くらい)器官ですが、からだのカルシウムを調節するという、大切な働きをしています。
◆外科的な疾患の代表は副甲状腺のしこりです。しこりが勝手にホルモンを作ってしまう結果、血液中のカルシウムが増えて様々な症状を引き起こすことがあります。しこりが「がん」の場合には症状が強く、手術を必要とします。しこりが「良性」の場合には経過観察で済むことも多いですが、腎臓や尿路に結石を生じたり骨が脆くなっているときには手術をお勧めします。
◆内科的な疾患の代表はホルモン不足で血液中のカルシウムが不足しますので、カルシウム薬やビタミンD剤を補充します。
副腎
いくつかの副腎ホルモンを作って分泌します。
左右二つの腎臓の上側にあります。血圧や血糖・水分量など体のバランスを一定に保つ働きをします。
◆外科的な疾患の代表は副腎のしこりです。しこりが勝手にホルモンを作ってしまう結果、ホルモン過剰となって高血圧などの様々な症状を引き起こすことがあります。ホルモンが過剰となっている場合には手術でしこりを取り除くことで症状が軽快します。
◆内科的な疾患の代表はホルモン不足です。とくにコルチゾールと呼ばれるホルモンの不足は体調不良をまねきますので、薬による補充が必要です。
多発性内分泌腫瘍症
遺伝病として甲状腺、副甲状腺、副腎など複数の器官にしこりができる症候群で、これまでに述べたような症状を経験します。この症候群はとてもまれですが、遺伝性であることを考慮して診断や治療を進めます。ご家族への配慮も大切です。
セカンドオピニオン
現在治療中の病気の診断内容や治療法に関し、当院内分泌外科専門医より意見・判断を提供し、今後の治療の参考としていただくことを目的としています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
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医師紹介

岡本 高宏(おかもと たかひろ)
卒業大学 | 筑波大学 1982年卒 McMaster大学大学院 1996年修了 |
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主な経歴 | 2009年 東京女子医科大学病院 内分泌外科教授 2015年 東京女子医科大学病院 第2外科(乳腺・内分泌・小児)外科教授 2021~2023年 東京女子医科大学病院 内分泌外科教授 |
専門領域 | 外科一般(日本外科学会外科専門医、指導医) 甲状腺・内分泌疾患(日本内分泌・甲状腺外科専門医) 乳腺疾患(日本乳癌学会乳腺専門医、検診マンモグラフィ読影認定医) |
