2026年2月10日
内分泌外科 岡本 高宏
40代の半ばでした。なんだか胸が痛むなあと思って心配になり、レントゲン検査を受けたことがあります。結果は異常なし。ところが安堵したのも束の間、今度は胸に赤いポツポツがでてきました。そう、帯状疱疹だったのです。幸い抗ウイルス薬が効いて、後遺症を残さずに済みました。
帯状疱疹は「水ぼうそう」のウイルスが原因で起きます。子供の頃に罹った水ぼうそうは治っても、原因ウイルスは神経(節)に潜んでいます。高齢になるなど、免疫力が下がってくるとウイルスが暴れ出し、潜んでいた神経近くの皮膚に“帯状疱疹”を引き起こすのです。ウイルスが神経を傷つけると痛みが長く残ることがあります。触っていないのにズキズキ痛い、服がこすれるだけでピリッと痛む、冷たい風やシャワーでも痛むことがあります。こうした神経痛は帯状疱疹の後遺症(合併症)のひとつで、長引くと数カ月から数年に及ぶことがあります。また、顔の神経(三叉神経)に炎症が及ぶと眼の合併症を招くことがあります。
帯状疱疹やその後の神経痛に罹るひとはどれくらいいるでしょうか?毎年約60万人が発症し、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。小豆島で行われた調査では、1年間に人口1,000人あたり11人が発症しました。そのうちの20%の人が帯状疱疹後神経痛を経験しています。これらの頻度は年齢とともに高くなることも示されました(図)。

予防にはワクチンです。帯状疱疹の予防に使われるワクチンには2種類あります。水痘ワクチン(「ビゲン」)と乾燥組換えワクチン(「シングリックス」)です。これらはワクチンの種類、接種回数、帯状疱疹を予防する効果、効果の持続期間、そしてかかる費用に違いがあります(表)。

ワクチンを受けるのは義務ではなく、希望に応じてなので費用は自己負担となります。ただし、自治体が費用を補助している場合があります(自治体による助成)。お住まいの地域の自治体にお尋ねになるのもよいでしょう。
学生時代、麻酔科の教授が帯状疱疹に罹り、その後に神経痛になりました。麻酔科ですから痛みの専門家ですがペインクリニックの治療では軽快せず、袋田温泉での湯治が良かった、と話してくれたことを思い出しました。
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公開日:2026年2月10日
