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更年期と関節痛

 こんにちは、ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科の佐野です。私は産婦人科専門医、女性医学会専門医・抗加齢医学会専門医であり女性のヘルスケアやピル・ホルモン治療を専門としています。今日は更年期症状として出現することも多い関節痛について説明します。

 

 関節痛は更年期によく起こる症状で、約半数の女性が更年期に大なり小なりの関節痛を感じていると報告されています。関節を形成する骨、軟骨、靱帯、滑膜には女性ホルモンの受容体が存在しています。女性ホルモンには関節の炎症を抑え、痛みを感じにくくする作用があり、女性ホルモンの低下によりこの作用が失われることで更年期の関節痛が起こるのではないかと推測されています。更年期障害の治療であるホルモン補充療法(HRT)には関節保護作用、運動機能改善作用があり、更年期の関節痛に対する効果が期待されています。


 ただ関節痛は更年期障害のみで起こるわけではありません。膠原病や整形外科疾患、内分泌疾患や薬剤が原因で起こることもあります。この中でも関節リウマチと変形性関節症は比較的更年期年齢の女性に起こりやすく、鑑別が必要です。

 

 関節リウマチは自己免疫性の病気であり、関節内の滑膜が異常に増殖することで慢性の炎症を生じます。症状や採血、レントゲンの所見等で診断されます。一方変形性関節症は関節の軟骨が摩耗し、炎症が併発し起こります。機械的な刺激により進行するため膝や股関節などに起こりやすいのですが、手に生じることもあります。手に変形性関節症が起こる場合、指の一番上の関節に生じるものはヘバーデン結節、上から2番目の結節に生じるものはブシャール結節と呼ばれます。

 


 関節リウマチの場合、抗リウマチ薬や免疫抑制剤・生物学的製剤が主たる治療法になります。変形性関節症の場合は局所の固定や鎮痛剤、ステロイド注射、手術が治療法になります。この両者の場合、更年期の治療であるホルモン補充療法(HRT)の効果はないかあってもかなり限定的と考えられますのでまずは整形外科での治療をおすすめします。また変形性関節症の場合はエクオールサプリメントの有効性も報告されていますので、試してみるのもいいでしょう。

 

 当院にも更年期の関節痛で多くの患者さんがいらっしゃいます。多くの方は整形外科に行ったけれど、整形外科的な病気は否定的で「女性ホルモンの影響ではないか」と言われて来られた方が多いです。こういった更年期の関節痛の場合、HRTがすっと効く場合もありますし、思う様に効果が出ず難渋する場合もあります。関節の痛みというのは女性ホルモンの低下以外にも軟骨のすり減りや使いすぎによって出る要素も多く、この見極めがかなり難しいためと考えられます。

 

 この中でも私見ですがHRTが効きやすい関節痛には特徴があるように思います。まずは1カ所に限局しているよりも関節痛が体のあちこちにあり「なんとなく節々が痛む」というタイプです。関節の痛む部分が限られている場合はやはり摩耗や使いすぎの要素が強いのでHRTは効きにくいのではないかと考えます。また関節痛が出てからかなり年月が経っているタイプはなかなか効きにくく、症状が出始めてすぐ来られた方は比較的効きやすい印象があります。

 

 更年期に関節痛が出現したら早めに整形外科などの専門科で適切な診断を受けましょう。そこで異常はなしと言われた場合は更年期による関節痛で婦人科での治療が有効な場合もあります。是非受診を検討されて下さい。

 

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