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月経困難症の治療 低用量ピルとディナゲスト 中編

  

 こんにちは、ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科の佐野です。私は産婦人科専門医、女性医学会専門医であり女性のヘルスケアやピル・ホルモン治療を専門としています。今回は月経困難症の治療に使用されるお薬である低用量ピルとディナゲストについての前回の続きです。

 前回までは低用量ピルとディナゲストの違いについて説明しました。エストロゲンと黄体ホルモンの合剤である低用量ピルに対し、ディナゲストは黄体ホルモン単剤のお薬です。つまり、両者の一番の違いはエストロゲンが含まれているか、いないかでしたね。

 では低用量ピルにエストロゲンが含まれていることのメリットは何でしょうか。一つは不正出血を起こしにくくなることです。黄体ホルモンは単剤で用いると、子宮内膜を薄くする作用が強く、内膜が不安定になって、不正出血を起こしやすくなります。しかしエストロゲンには子宮の内膜を厚くする働きがあり、黄体ホルモンと一緒に用いると子宮の内膜は安定します。つまり低用量ピルを飲むと、子宮内膜は薄すぎず厚すぎずいい塩梅に保たれるようになるのです。

 ただし内膜が完全に薄くなるわけではないので、長期間に渡って飲み続けるとお腹が張ったりして、不正出血も起きやすくなります。そこで21-24日間成分の入っている実薬を飲んだら、4-7日間お休みをして出血を起こして膜を剥がしてあげる。これを繰り返すのが従来の低用量ピルです。ただピルを飲み続けていると、黄体ホルモンの膜を薄く保つ効果が優位になってきて、休薬をしても生理が起こらなくなることもあるのです。




 一方ディナゲストは黄体ホルモン単剤であるため子宮の内膜に対しては、ただただ薄く保つように働きます。そのため特に飲み始めは膜が不安定になり、頻繁に不正出血を起こします。ただしピルとは違い毎日飲み続けるお薬であり、飲み始めると生理のようなまとまった出血は起きなくなります。ディナゲストの不正出血は飲み始めから2-3ヶ月でピークを迎え、その後は減少する傾向にあります。しかしある程度内服して時間が経過しても不意に出血することもしばしばあります。

 ディナゲストにはエストロゲンが含まれておらず、さらに排卵を抑制することで卵巣からのエストロゲン分泌も抑えます。よってディナゲストを飲むとエストロゲンが低下し、ほてり・頭痛・抑うつ症状といった更年期様の症状が出現することがあります。不正出血も起こるし、更年期様の症状も出るし、「ピルの方がいいのでは?」と一見思えてしまいますよね。ではディナゲストを用いるメリットはどこにあるのでしょうか。長くなったので次回に続きます。

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