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月経困難症の治療 低用量ピルとディナゲスト 前編

  

 こんにちは、ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科の佐野です。私は産婦人科専門医、女性医学会専門医であり女性のヘルスケアやピル・ホルモン治療を専門としています。今日は月経困難症の治療に使用されるお薬である低用量ピルと黄体ホルモン製剤であるディナゲスト(成分名 ジエノゲスト)について、両者の違い・使い分けを中心に話をします。

 女性ホルモンにはエストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があり、低用量ピルやディナゲストに含まれている黄体ホルモンには排卵を抑制し、エストロゲンの分泌を抑える効果があります。エストロゲンは子宮内膜を増殖させる作用があり、この分泌が抑えられると、子宮の内膜は増殖できません。また黄体ホルモンは子宮の内膜に直接働きかけ増殖を抑える作用もあります。よってこれらのホルモン剤を飲むと月経量は減り、月経痛は改善します。そのため低用量ピルやディナゲストは月経困難症に効果があります。では低用量ピルとディナゲストの違いは何でしょうか。

 低用量ピルは元々黄体ホルモンの排卵抑制作用を利用して、避妊薬として開発されました。ただし黄体ホルモンのみで用いると、排卵を抑制するために多量の黄体ホルモンが必要となり、吐き気や肝障害などの副作用が問題になりました。そこでもう一つの女性ホルモンであるエストロゲンを加えると排卵抑制作用が増強され、総ホルモン量を下げることが可能になりました。黄体ホルモン単剤で用いると起きやすい不正出血もエストロゲンを加えることによって起こりにくくなりました。その後、副作用を改善するために総ホルモン量自体も年々少なくなるように改良され続け、現在の低用量ピルという形になっています。

 元々は避妊目的のために作られた低用量ピルですが、近年になると月経痛を改善し、さらには子宮内膜症の治療や予防にも効果があることがわかりました。現在低用量ピルは婦人科では治療のために必要不可欠な存在になっています。一方黄体ホルモン製剤であるディナゲストは10年ほど前に登場した比較的新しいお薬です。ディナゲストは黄体ホルモンのみの薬でもう1つの女性ホルモンであるエストロゲンは含まれていません。このエストロゲンのあり、なしが両者の一番大きな違いです。

 では低用量ピルにエストロゲンが含まれていることのメリットは何でしょうか。長くなったので次回に続きます。 

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