こんにちは。ミラザ新宿つるかめクリニックの福島です。当院ではスギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法を行っております。前回、その概要と服用法についてご説明いたしました(アレルギー性鼻炎、花粉症の舌下免疫療法(前編))。
この後編では気をつけなければならない副作用等についてお話しいたします。引き続きよろしくお願いいたします。
新しい治療を受けるときは、副作用がないかということはとても気になることだと思います。舌下免疫療法で気をつけなければならない副作用として、稀ですがアナフィラキシーという強いアレルギー反応が出ることがあります。そのため、初回は安全のために服用後30分は院内で安静にしていただき様子をみさせていただく必要があります。2回目以降は自宅等での服用が可能ですが、服用後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避けていただきます。念のため、可能であれば周囲に人のいる状況で服用すると万全です。
この他、口の中や喉の不快感やかゆみ、口内炎、舌の下や口の中の腫れ、唇の腫れ、耳のかゆみ、頭痛、胸やけや腹部の不快感などがみられることがありますが、ほとんどの方で服用を続けているうちに軽くなっていきます。また抗アレルギー薬との併用がこれらの副作用を和らげてくれることがあります。
私自身もダニとスギ花粉にアレルギーがあるので、先日いよいよダニアレルギーの治療薬である「ミティキュア」の服用を始めました。個人差はあると思いますが、初日は舌の下の刺激感(駄菓子のパチパチキャンディを弱くしたような刺激です)と、しばらくして少しだけ喉のかゆみを感じ、さらに時間が経つと軽い胸やけと胃の膨満感が15分ほどありました。しかし早速2日目から刺激感は少なくなり、その後も順調に軽くなっていきました。1週間経って薬の量が増えたときは一時的に刺激が強くなりましたが、同じように次第に軽くなっていきます。昼食後に書類を読みながらやメールをしながら服用しているのでそちらに集中していることもあってか、今ではほぼ何も気にならなくなっています。
そして最近、もう一つのアレルギーであるスギ花粉に対して、「シダキュア」の服用も始めました。一般的にはこちらのほうが刺激感が少なく服用しやすいとされていますが、私もそう感じました。両方にアレルギーがありどちらも治療してみようと考えていらっしゃる方は、「シダキュア」から始めてみるとよいかもしれません。
さて、治療を開始するタイミングですが、スギ花粉アレルギーの場合は花粉の飛散が終了した6月くらいから次のスギ花粉飛散の始まる3カ月前の間に開始することとされています。関東ならばだいたい6月から11月が開始時期の目安です。ダニアレルギーの場合はいつでもよいのですが、スギ花粉アレルギーも合併している場合はその季節は避けた方がよいとされています。
標準的な治療期間は3-5年と長期にわたります。効果には個人差はあるものの、スギ花粉症の場合は初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療を始めて数カ月後から効果が期待できます。
長期間しっかり継続できればアレルギー症状を治したり、治療終了後も長期にわたり症状を抑えること、または症状が完全に抑えられない場合でも、症状をやわらげ他のアレルギー治療薬の使用量を減らすことが期待できます。
始めたばかりの私はまだ効果を実感できておりませんが、長年煩わされてきた鼻炎が少しでもよくなることを期待しています。もちろん、薬が必要なくなるほどの高い効果が得られたら最高ですね。
保険診療となります。以下は自己負担3割の場合です。
・診断確定のための血液検査・・・4830円
薬剤費 |
初回1週間分 |
2回目以降30日分 |
スギ花粉(シダキュア) |
約130円 |
約1350円 |
ダニ(ミティキュア) |
約150円 |
約1800円 |
※このほか、初・再診料、調剤料等がかかります。なお当院では院内処方が可能です。
さて、前編、後編と長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。この治療に興味のある方はぜひ一度ご相談ください。診察電話予約はこちらで承っております。(03-6300-0063)当院では2023年4月現在、張院長と消化器内科の福島・津川の3名が担当しています。皆様のご相談お待ちしております。