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アレルギー性鼻炎、花粉症の舌下免疫療法 (前編)

  

 

皆様こんにちは。ミラザ新宿つるかめクリニック院長の福島です。この度ホームページを充実させる一環として、ブログ形式での情報発信を始めてみました。初回は私自身が患者でもあるアレルギー性鼻炎の「舌下免疫療法」について、前編後編に分けてお話しします。どうぞお付き合いください。


当院ではスギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法を行っております。多くの方が受けている抗アレルギー薬等による治療は一時的に症状を緩和する治療ですが、舌下免疫療法ではアレルギーを治したり、長期にわたり症状を抑える効果が期待できます。症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、他のアレルギー治療薬の減量が期待できます。スギ花粉アレルギーには「シダキュア」ダニアレルギーには「ミティキュア」という薬を用います。

 

私自身もアレルギー性鼻炎患者でそのつきあいはとても長く、思い返せば小学生の頃からその症状はありました。春や秋になると、また遊んで散らかしてしまった部屋の片付けを始めると、くしゃみと鼻水に悩まされていました。最初はよく鼻風邪をひく子供、というような感じでしたが後にアレルギー性鼻炎であることがわかり、以来抗アレルギー薬は必須アイテムとなり、スギ花粉の季節は点鼻薬と点眼薬も併用しています。少しでも症状が軽くなればと思い、先日より私自身もこの治療を受け始めてみましたので、感想も交えながら舌下免疫療法についてご説明いたします。

 

 

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法(減感作療法とも呼ばれます)の一つです。免疫は自分以外のものから身を守るために備わっているものですが、その仕組みは非常に複雑でまだわかっていないことがたくさんあります。この免疫の働きがおかしくなると不都合な症状が出てしまうことがあります。アレルギーは、異物に対して免疫が過剰に反応してしまう状態です。スギ花粉アレルギーではスギ花粉、ダニアレルギーではダニの成分に免疫が過剰に反応してしまい、くしゃみや鼻水などの症状が出てしまいます。アレルゲン免疫療法はこの異物に対しての免疫の働きを再調整し、過剰な反応を起こさないようにします。

 

アレルゲン免疫療法がまだ一般的ではない理由として、治療に何年もかかり、かつ以前は注射による治療のため毎週通院しなければいけないなど不便さがあったためと思われます。しかし近年、スギ花粉アレルギーとダニアレルギーについては舌下投与による治療法が保険適応となっています。自宅で服用できるので、以前に比べて非常に受けやすい治療になりました。

なぜ舌下投与なのか

口の中の粘膜に、アレルギー反応を抑える働きに関与する免疫細胞がいることがわかっています。この細胞に薬剤に含まれる成分をしっかり作用させるためには、しばらくの間飲み込まずに口の中に留めておく必要があります。そのために、舌下投与を行います。

 

治療のまえに

治療を受けるにあたってはスギ花粉やダニに対してのアレルギーを持っていることをはっきりさせなければなりません。2-3月に典型的な症状が出るため明らかにスギ花粉アレルギーだろうと考えられる方でも、検査で確認をする必要があります。頻用される検査は血清抗体検査という血液検査です。当院でも行っています。

 

私が血液検査を受けたのはずっと前のことで記録も持っていませんでしたので、今回治療を受けるにあたり確認のために検査を受け直しました(スギとダニがしっかりと陽性でした)。なお、当院では目安として1年以内に受けたアレルギー検査結果をお持ちの方は、ご持参いただければ再検査は省略可能としております。

薬と服用法

実際の治療法についてお話しします。「シダキュア」または「ミティキュア」という薬を1日1回、そのまま飲み込むのでは無く、舌の下(口腔底といいます)において、1分待ちます。これが舌下投与です。たいてい1分たつまでに唾液に溶けてしまいます。そして1分たったら溜まった唾液ごと飲み込んで、その後5分間、飲食やうがいを控えます。これを毎日続けます。現在受けている鼻炎の治療と並行して行うことも可能ですので、通院や服用の負担はそれほど大きくはないといえるでしょう。ただし、初回の服用だけはクリニック内で行っていただきます。後編でお話しする副作用の様子を30分ほど観察するためです。しっかりと時間をとってご来院ください(2時間程度見ていただくと安心です)。

 

また、スギ花粉とダニ、いずれも最初の1週間は体を慣らすために成分が少ない薬を使います。1週間服用して継続に問題なければ成分量の多い薬に変更します。ですから治療開始から2回目の診察のときだけは1週間の間隔で受診していただく必要があります。以降は順調であれば1ヶ月に1回で大丈夫です。以前の週1回の注射に比べると、随分と負担は楽になったのではないかと思います。

 

 

さて長くなりましたので今回はここまで、次回のブログで副作用等についてご説明いたします。

この治療に興味のある方はぜひ一度、外来にご相談ください。診察電話予約はこちらで承っております03-6300-0063
当院では2023年4月現在、張院長と消化器内科の福島・津川の3名が担当しています。皆様のご相談お待ちしております。

診療担当表はこちらになります。



まとめ

   

§アレルギー性鼻炎の治療には①アレルギー症状を緩和する方法と、②アレルギーそのものを治す方法があります。

 

§舌下免疫療法はアレルギーそのものを治すことが期待できる治療法で、現在スギ花粉アレルギーダニアレルギーに保険適応があります。

 

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