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健康診断の必要項目について

 ブログの読者様、こんにちは! ミラザ新宿つるかめクリニック院長の張です。

 春の健診シーズンになってきました。これから健康診断を受けようとする方の中にはどの項目の検査を受ければ良いのか戸惑いの方もいらっしゃるでしょう。今日は健康診断の項目について、近年の医学論文にあるエビデンスを基に詳しく説明したいと思います。

 日本には各地方自治体が主体となり、生活習慣病の予防や早期発見の為に行われる健康診査とがんの死亡率を下げるために行われるがん検診、また労働者の健康確保のために行われる一般健康診断(会社で行う健康診断)など、ほぼすべての国民が年に一回自分の健康状態を確認する機会があります。ほかに個人の裁量で受診する人間ドックもあります。

 本来の予防医学とは個人それぞれの健康状態及び病歴などから健康診断の項目を決めるべきですが、全ての人にテーラーメイド医療を提供するのは非現実的です。そこで、それぞれの健康診断で定められた基本項目にオプション項目を追加し対応することになります。

 実は日本の様に大規模健診を行っている国は少なく、日本の他に英国、ドイツなどが同じ方式をとっています。アメリカやカナダなどの健診は普段受診している診療所で医師から必要な項目のアドバイスを受け、自分自身で管理します。そこで米国予防医療専門委員会USPSTF(US Preventive Services Task Force)を中心に各専門領域の学会は健康診断の必要項目について推奨あるいは反対を行っています。医師はそれらに基づき、個々の患者に必要な項目を勧めます。

 理想のスクリーニング検査(健康診断)は死亡率の低減、健康寿命を延ばせる検査でなければいけません。ここでは代表的な疾患及びその検査項目をUSPSTFがどう判断しているか、またどのオプション検査を受けたらいいかについて、いくつか紹介します。

 

  • ●胃がん

欧米では発症率が低く、検査のガイドラインがありません。

しかし、日本人には罹患率・死亡率ともに高いがんなので、市区町村のがん検診で50歳以上の方に2年に1回胃部エックス線検査又は胃内視鏡を勧めています。(自治体によって異なります。詳しくはお住いの市区町村にお問い合わせください。)内視鏡検査の普及で近年胃がんの発症率は低下しています。

当院でのオプション検査:胃内視鏡(追加料金がかかりますがバリウム検査を内視鏡に変更できます)

 

  • ●大腸がん

USPSTF:4575歳の成人に対して推奨されています。ちなみに大腸内視鏡検査で大腸がんによる死亡率が68%防げているとしています。

市区町村のがん検診で40歳以上の方に便潜血検査を勧めています。潜血陽性の方は精査(大腸内視鏡)が必要です。

当院でのオプション検査:大腸内視鏡

 

  • ●前立腺がん

USPSTF:55-69歳の男性にスクリーニング検査を推奨しています。

(各学会ではまだ意見は統一されていません。)

当院でのオプション検査:採血項目のPSA

 

  • ●骨粗鬆症

USPSTF:65歳以上のすべての女性、65歳未満でもリスクのある女性に検査を推奨しています。

当院でのオプション検査:骨密度簡易検査(超音波法)

 

  • ●腹部大動脈瘤  

USPSTF:全ての65-75歳の喫煙歴(人生で合計100(5)以上)のある男性に

一度腹部超音波による検査を推奨しています。(grade B)

当院でのオプション検査:上腹部超音波検査(一般健康診断に含まれている場合もあります。)

 

  • ●肺癌

USPSTF:50-80歳の喫煙歴(1年で20箱以上)がある成人に対して毎年低被曝度のCTを推奨しています。なお、禁煙15年経過すると健診が不要となります。

当院でのオプション検査:胸部CT

本院新宿つるかめクリニックにて実施します。

 

  • ●認知機能

認知症に対する予防効果のデータが不十分のため、認知機能のチェックは推奨不確信という結論になっています。

当院でのオプション検査:プレミアム脳ドック

  提携機関の医療法人永仁会Seeds Clinic新宿3丁目にて実施します。

 

  • ●うつ病及び不安症候群

うつ病及び不安症候群の成人の実際の発症割合が統計よりも高いと言われ、USPSTFでは全ての成人に対してこれらの健康チェックを推奨しています。(grade B)

当院でのオプション検査はありません。気になることがありましたら、医師に相談してください。

 

 

 他にも健康診断の項目は沢山あります。個人それぞれの病歴やライフスタイルでやるべき検査は違います。米国予防医学協会USPSTFでは無料のホームページ、アプリを提供しており、質問に答えるとご自身にあった科学的根拠のある健康診断項目が提示されます。

   www.uspreventiveservicestaskforce.org/apps/

※ただし、アメリカ人のデータを基にしており、日本人とは人種やライフスタイル等も異なるため日本で実際に推奨している検査や期間等と異なることもあります。

 

 英語でのサイトですが、興味があれば是非一度クリックしてご自身に必要な検査項目をチェックしてください。ご不明な点があればどうぞ気軽に私の外来にお問い合わせください。

 当院では新宿区の健康診査とがん検診中野区の健康診査を受診できます。また、協会けんぽ等の健康保険組合加入者は健康診断を受診できます。その他、多くの健康保険組合とも契約していますのでお気軽にお問い合わせください。

 

 

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