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鉄欠乏性貧血その②

 血液内科の長尾です。前回のブログでは鉄欠乏性貧血は、赤血球内のヘモグロビンを構成する鉄(Fe)が不足することで起きる貧血で、だるさや頭痛、めまい、体を動かしたときに動悸や息切れなどを感じの症状があり、治療の基本は鉄剤の投与であることをお話ししました。

 今回は鉄剤についての詳細と鉄欠乏性貧血の原因についてお話しします。

 

鉄欠乏性貧血の治療(鉄剤について)

  • 1.鉄剤の種類と飲み方:内服の鉄剤は数種類あり、副作用は似ていますが、胃酸の影響の有無や、副作用を軽減するための工夫など、少しずつ異なります。一般に吸収をよくするために、食前にお茶などのタンニンを避けて内服することが勧められていますが、空腹時の内服により副作用が出やすくなる場合もあり、あまりタイミングを気にせず、継続することを優先して下さい。以前胃を切っている患者さんや、制酸剤を飲んでいる患者さんではお勧めできる製剤が変わりますので、お申し出ください。
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  • 2.鉄剤の副作用:嘔気や胃部不快、便秘、下痢など消化器症状が感じられることがあり、鉄分の影響でお通じは黒っぽくなります。上で述べたように、食前内服に比べて食後や眠前の内服に変更するとこれらの症状が軽くなる場合もあります。その他アレルギー様の症状がでることがあります。
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  • 3.シロップ製剤や注射剤について:胃や腸管への負担が強く、内服を続けることが難しい場合は、シロップ製剤や注射製剤を選択することもできます。新しい注射剤の中には、短期間の通院でたくさんの鉄補充が可能なものもあります。
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  • 4.鉄剤内服の期間について:先に述べた「血清鉄」は1-2週など短期間で回復し、「貧血」は比較的早い時期に良くなりますが、貯蔵鉄「血清フェリチン」については十分な回復と安定に数か月から半年程度かかる場合もあります。

 なお鉄剤への反応が悪い場合は、胃のピロリ菌感染や、もともと胃腸の吸収が悪くなる病気が潜んでいる可能性もあります。


    

 

鉄欠乏性貧血の原因検索

 

 治療=鉄の補充とは別に、鉄欠乏が生じた原因をはっきりさせておくことも重要です。

・女性の過多月経の場合、以前と比較して生理の間隔の変化や経血量の増加がある場合は、一度は婦人科の先生へのご相談やスクリーニング検査をお勧めしています。かかりつけの婦人科がない場合、当院で診察可能です。婦人科は女医が対応します。

・鉄欠乏性貧血と診断されても、明らかな出血が自覚されない場合は、消化管出血がないかどうか調べておくことが重要です。スクリーニングとして便潜血検査や、消化器内科の先生にご相談して、上部・下部消化管内視鏡を行うことが検討されます。こちらも当院で診察・検査が可能です。


その他、歯肉や鼻腔からの出血はありませんか?「いつも血の味がする」など。

お小水の色がいつも少し赤いことはありませんか?

痔の症状が気になることはないですか?「トイレで流すときに赤い気がする」など

例え少量ずつでも、長く持続すると貧血に至ることもありますので注意が必要です。

 

              
  

 

鉄補充のための栄養指導や鉄分の多い食事については、いろいろと奥深い話なので、またの機会に他の栄養指導と一緒にお話したいと思います。

 最後までご覧くださってありがとうございました。


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