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女性のライフサイクルと閉経後の体の変化

 こんにちは、ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科の佐野です。私は産婦人科専門医、女性医学会専門医・抗加齢医学会専門医であり女性のヘルスケアやピル・ホルモン治療を専門としています。今日は女性のライフサイクルと閉経後の女性の体の変化について説明します。

 

 女性は8-9歳前後に思春期に入り、その後初経を迎えます。18歳前後からは最も生殖能力の充実している性成熟期に入ります。思春期~性成熟期には卵巣にある卵胞から女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されます。しかし加齢とともに卵胞数は減少し、卵胞が枯渇しエストロゲンが分泌されなくなると閉経を迎えます。閉経の前後の5年間は更年期と呼ばれます。日本人女性は平均50歳で閉経を迎えるので、大体45歳から55歳くらいの間が更年期に当たります。更年期は思春期と同様に体が大きく変化する揺らぎの時期です。

 

 閉経後もエストロゲンは脂肪細胞等で産生されます。しかしその活性は低く、閉経後の体内のエストロゲン活性は閉経前の1/10程度までに低下します。エストロゲンは子宮や乳腺などの女性特有の臓器だけではなく、脳・皮膚・消化管・肝臓・腎臓・骨など様々な臓器にいい影響を及ぼしていることが知られています。よって更年期にはエストロゲンの低下により様々な症状が起こります。またエストロゲンの低下は更年期以降の健康にも大きく影響します。下の図はエストロゲンが低下することによって起こる症状を年代別にまとめたものです。

 
 閉経前にはエストロゲンの低下に伴い月経異常が出現します。やがてのぼせ・めまいなどの自律神経失調症状も出現するようになります。それに少し遅れて倦怠感や不眠、不安、記銘力低下などの精神神経症状が出現し、更年期障害の様々な症状が起こってくるようになります。やがて更年期障害が軽快してこれらの症状が落ち着いても、エストロゲンの欠乏による影響は続きます。

 

 エストロゲンには腟粘膜の潤いを保つ効果があるため、欠乏により腟が萎縮し性交障害が起こります。エストロゲンにはコレステロールを下げ動脈硬化を防ぐ働きもありますが、これが失われることで動脈硬化も進みます。エストロゲンには血管の柔軟性を保つ機能もあるため、欠乏により血圧も上昇傾向になります。動脈硬化や高血圧はやがて脳卒中や心筋梗塞に進展することもあります。またエストロゲンには骨密度を上げる作用もあり、欠乏により骨粗鬆症になりやすくなります。これらの症状は閉経後しばらくして出現し、不可逆的な変化をもたらすため老化期障害とも呼ばれます。

 

 更年期は健康のチェックポイントと言われます。もし閉経前から高血圧や動脈硬化・骨量減少などがあった場合、閉経後はエストロゲンの低下によりこれらの病態が急速に進む可能性があります。そこでこれらの異常がないかは更年期までにしっかり把握し、必要があれば治療を受けましょう。また今後は生活習慣を整えてこれらを予防する生活にシフトしていきましょう。

 

 ホルモン補充療法(HRT)は更年期症状の緩和のためエストロゲンを補充する治療ですが、エストロゲン欠乏による老化期障害を予防するアンチエイジングの副効用もあります。人生100年時代とも言われ、生涯における更年期以降の期間は延びています。更年期以降の健康を維持し、できるだけ長く自立した生活を営むことが重要です。更年期の診療では症状の緩和だけでなく、老化期障害の予防という観点にも注意を払っています。

 

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